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私がふたごだったとき 

私がふたごだったとき
ずっと森で暮らしてた
ふたりおそろいの服を着て
毎晩同じベッドで夢を貪りあった
ふたり一緒にいること
それが当たり前の世界だった

私がふたごだったとき
世界はひとつきりしかなかった
庭にはいつも同じ花が咲き
季節は春と夏しか知らなかった
変わらない風景と代わり映えのしない日常
狭い箱庭の中の世界がすべてだった

私がふたごだったとき
空想することが生きている証だった
ふたり裸足で森を駆けめぐり
森のあちこちに物語を埋めて歩いた
いつか思い出してまた読むために
埋めたところには必ず目印をつけた

私がふたごだったとき
こんな幼い夢がいつまでも続くと信じていた
世界は私たちを裏切ることなく
少女のままずっと一緒にいられると思ってた
大人になる日が来るなんて
恋をする日が来るなんて永遠に来ないと信じていた

だけど大人になって恋をすると
私たちはふたごでいられなくなってしまった
やがて森は消えてなくなり
季節に四季があることを初めて知った
空想だけで生きていけるわけもなく
少女の幻想はあっけなく壊されてしまった

私がふたごだったとき
それはきらめく光にあふれた記憶
愛しくも愚かなやさしい時間
物語の続きだけは森の中に隠されて
いつしか母となり新たな命を宿したとき
きっとひそやかな夢の息吹を感じることだろう
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